2022年8月に「読売新聞」社会面(1面)トップにて報じられ話題となった、藤子不二雄Ⓐ氏が大切に保管していた原稿、それが『魔法屋敷』の未発表原稿でした。氏が生涯手放すことなく手元に置いていたこの原稿の存在は、『まんが道』の手塚治虫と藤子不二雄の交流エピソードを実証するものとして大きな話題となりました。しかもそれがリメイクのために描かれた未発表原稿という点からも、漫画史上この上なく貴重かつ重要な資料であることが分かります。本書は三玉書房版(1951年)の『魔法屋敷』を底本に初復刻、この未発表原稿40枚すべてを巻末に掲載した決定版。本書によって、これまで描き版(*)でしか知り得なかった執筆時の手塚自身の筆致と巧みな構成力を明らかにします。